店舗で従業員を採用する際、各種手続きが必要となります。
本記事では、採用の際決めなければならないこと、入らなければならない保険について解説します。
【監修:世良田 文子社労士】
1 労働条件を決めましょう
従業員を採用する事になったら、労働条件を決めることが必要になります。
労働条件を決めたら、原則は、「労働条件通知書」または「雇用契約書」でその内容を従業員となる人に交付します。
現在は、労働者が希望した場合は、「労働条件通知書」または「雇用契約書」はメールやLINEなどで(従業員となる方が出力することができれば)送付しても構いません。
2 従業員が入ることを義務付けられた保険:「労災」
続けて、従業員さんが、仕事中や、会社に来る時・帰る時に、けがや病気になった時に備えて、保険に入ることが義務付けられています。
労働者災害補償保険法、略して「労災」です。
仕事中にけがや病気になった場合には、「労災」で病院にかかると、本人の医療費支払負担がありません(健康保険の場合は、原則3割負担です)。
詳しい内容はこちらをご確認ください。
3 条件に当てはまる従業員に義務付けられた保険:「雇用保険」
ある一定の条件に当てはまる従業員さんについては、雇用保険加入が義務付けられています。
条件:1週間の所定労働時間が20時間以上の方で31日以上雇用継続する予定の場合
雇用保険は、従業員さんが加入することで、退職した後の退職した従業員への失業保険となります。
詳しい内容はこちらをご確認ください。
4 条件に当てはまる従業員に義務付けられた保険:「社会保険」
ある一定の条件に当てはまる従業員さんについては、社会保険加入が義務付けられています。
【主な条件】
1 法人の事業所に雇われている、5人以上の個人事業主に雇われている
2 1週間の所定労働時間が、通常の従業員の4分の3以上
健康保険、厚生年金保険に入ることによって、前述の労災以外の病気、けがの際に、3割負担で医療を受けることができます。
厚生年金は、国民年金よりも厚い給付になっています。
詳しい内容はこちらをご確認ください。
5 給料計算の準備をしましょう
採用する従業員の給料設定をすることが必要となります。
最初に従業員と約束した労働時間を超えて、最初に約束した労働日以外に仕事をした場合に、割増賃金を払うことも考慮しつつ、給与決定しましょう。
また、税金の設定もしておきます。
同じ金額を支払っても、扶養する家族の人数などで、所得税が変わってきます。
住民税を給料から控除する手続きもしておきます。
6 出勤、退勤を記録するものを用意しましょう
タイムカードなど、出勤、退勤を記録するものの用意が必要です。
最近は、勤怠管理はクラウドで行うこともできます。店舗にあったシステムを用意しましょう。
以上は、一般的な原則となります。
それぞれに例外、他の方法がある場合もありますので、実際に手続きする場合には、個別に確認、相談することをおすすめします。
この記事の監修
世良田 文子社労士
社会保険労務士法人ヒューマンフォース、行政書士Human Force
https://human-force.jp
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